こんにちは。今年ついに税理士として独立します。ドキドキしますね…笑。
サラリーマンから個人事業主として独立する場合には、どのタイミングが良いのかは人によってそれぞれですが、私の場合は特に具体的に独立したい時期(月)がありませんでしたので、専ら節税ができるタイミングで独立を検討していましたので紹介します。
節税効果が高い独立のタイミングは?
ズバリ12月1日かと思います。11月末まではサラリーマンとして給与を頂けますのでサラリーマンとしての課税所得が最大となります。
その後、12月1日に独立するわけなのですが、開業1か月ではあまり売上は立たず、どちらかというと経費が嵩みますので、個人事業主としての最初の1か月は赤字になる可能性が高くなります。
ご存じの方も多いかと思いますが、”給与所得”と”事業所得”は損益通算ができますので、事業所得の赤字分は給与所得と相殺することができますので、サラリーマン時代に給与から源泉徴収されていた税額は確定申告で取り戻すことが可能となります。
(例:給与所得900万円、事業所得▲100万円)
①損益通算する前の税額
所得税:1,434,000円
住民税:900,000円
合計:2,334,000円
②損益通算後の税額
所得税:1,204,000円
住民税:800,000円
合計:2,004,000円
③節税額:330,000円
いかがでしょうか?上記では330,000円を節税することができます。なかなかの金額になりますね。
開業1か月で100万円の経費を計上するのは難しいのではないか?と思わるかもしれませんが、ここで活用するのが”税務上の開業費”です。税務上の開業費は開業に要した経費(実際に開業届出書を出す前の経費)も任意の年に必要経費に算入することができますので、開業1年目に全額必要経費にすることが可能になります。
私の場合は、開業に関する経費が発生している場合には請求書及び領収書をきちんと保管し金額もエクセルで管理しています。
なお、税金を安くすることばかりに集中して無駄な物を購入しないように注意しましょう。不必要なものを購入するのは単なる無駄遣いとなりますので、キャッシュフローを悪化させるだけです。
税理士事務所の場合には、開業までのレンタルオフィスの家賃、複合機、ホームページ作成費用、その他諸々の経費を開業費とすることが可能かと思います。
なお、会計ソフトや申告書ソフトの費用については、開業後も継続的に発生するコストとなりますので、開業費としての性質にはなじまないと考えられます。この場合には、短期前払費用の特例の適用を検討することになります。
消費税の検討~税理士事務所は免税事業者とするべきではない~
消費税については、”開業後2年間は免税(一定の要件あり)”という規定がありますが、昨年導入されたインボイス制度の影響により、B to B取引を主体とする税理士事務所は免税事業者を選択するのは実質難しくなりました。
免税事業者からの仕入については、支払者側は原則として仕入税額控除を取れることができませんので(経過措置あり)、税理士が免税事業者であると”非常に体面が悪い”ですので、絶対に避けるべきです。
なお、一般消費者を相手とするB to C取引においては、”開業後2年間は免税”の規定は現在でも活用できるかと思います。
私の場合、前述の通り、1年目は支出が先行すると想定されますので、消費税については還付申告で支払った消費税を取り戻すことを考えております。100万円の経費が発生している場合には、10万円の消費税を取り戻すことが可能と考えられます。
なお、2年目以降は、消費税の2割特例又は簡易課税制度を活用していく予定です(2割特例や簡易課税は、益税を得られる可能性が高いため)
開業時にだす届出書(主要なもの)
●開業届出書
実際に出していない人もいらっしゃいますが、市区町村の創業融資支援を受ける場合には、必要となってきますので提出したほうが無難でしょう。
●青色申告承認申請書
これは言うまでもないですね。絶対に出しましょう。
●適格請求書発行事業者登録申請書
私の場合は出さざるを得ませんが、個人事業主のビジネス次第なところがあります。
●給与支払い事務所等の開設届出書
従業員等に給与を支払う場合には出す必要があります。
●源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
従業員等に給与を支払う場合で、源泉所得税の納期限を延長したい場合に出す申請書です。
●青色事業者専従者給与に関する届出書
同一生計の親族に給与等を支払う場合に提出する届出書となります。
●その他
その他、税務上の処理を選択する際に提出する届出書等がありますので、状況に応じて提出が必要となりますので、税理士にご相談ください。