インボイス制度

(インボイス) Q. 小売業(スーパー)においては、消費税の計算は積上計算と割戻計算は一般的にどちらが有利と言えるか?

A. 一般的に積上計算が有利と考えられる。

売上税額の計算における積上計算と割戻計算はそれぞれ以下となります(注:国税のみで計算しております)。

(割戻計算)

税率ごとに区分した課税資産の譲渡等の税込価額の合計額から算出したそれぞれの課税標準額に、7.8/100(軽減税率対象の場合は6.24/100)を掛けて計算します。

(積上計算)

適格請求書に記載した消費税額等の合計額に78/100をを掛けて消費税額を算出します(*)

(*)1円未満の端数が生じた場合には、事業者の選択により、インボイスごとに、切捨て、切上げ、四捨五入とすることができます。(←ここがポイントです)

税込200円(うち、消費税14円)の商品を1000個販売した場合を前提に計算してみましょう。

(割戻計算)

200,000円*100/108 = 185,185→185,000 (千円未満切り捨て)

185,000*6.24/100 = 11,544円

(積上計算)

14*1,000*78/100 = 10,920円

(計算結果)

積上計算の方が消費税額が少なくなりました。売上に係る税額計算ですので、消費税額が少ない方が有利となりますので(納める消費税額が少なくなる)、大量に領収書を発行するスーパー等は積上計算を選択したほうが有利と言えます。なお、売上に係る消費税額について積上計算を選択している場合には、仕入れ税額控除の計算においても積上げ計算を選択する必要がある点に注意しましょう。

(国税庁QA90)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf#page=110