相続税及び贈与税

令和6年度税制改正~住宅取得等資金贈与の非課税編~

令和6年度税制改正大綱により、2023年以降も住宅取得等資金贈与の非課税制度が延長される見込みとなります。延長期限は2026年末までとなっております。一部マイナーの改正はありましたが、非課税限度額に変更はありません。

<非課税限度額>

●省エネ等住宅用家屋 1,000万円

●上記以外の住宅用家屋 500万円

<同制度を適用する際のメリット>

1,000万円を無税で子や孫に移転できます。また、相続税の計算における持戻しの対象にならない点は大きなメリットになるかと思います。

<同制度を適用する際のデメリット>

相続税の計算における持戻しの対象にはなりませんが、遺産分割をする際の特別受益の持戻しの対象になりますので、将来的な争族トラブルになる可能性もある点に留意が必要です。

<同制度適用する際の注意点~主な注意点~>

●贈与税額が発生しない場合でも贈与税の申告が必要

→税理士が知らないということはないと思いますが、税理士を頼らずにご自身で申告する場合には注意です。贈与税が発生しなくても必ず申告が必要となります。

●直系尊属からの贈与に限定(子の配偶者に対する贈与は対象外)

→義理親からの資金援助というのはよくある話なので要注意ですね。

●贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を新築や取得すること

→家の引き渡しが長引くことも実際ありますので、贈与を受けるタイミングは、引き渡しを受ける日から逆算して余裕をもって贈与を受けましょう。

●その他

その他細かい要件は国税庁ホームページをご参照ください。

No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁 (nta.go.jp)

<おわりに>

30代、40代は家の購入を検討する方が多いかと思います。私の周りも増えてきました。友人からも住宅資金贈与の非課税制度について相談されたことがありました。同制度は税理士を頼らずとも申告は可能かと思いますが、特例を受けるための要件が細かく規定されておりますので、専門家である税理士に依頼した方が無難かと思います。