A. インボイス制度導入後においては、課税仕入れであっても適格請求書又は適格簡易請求書の保存がない場合には、原則として仕入税額控除の適用を受ける事はできません(一定の期間は経過措置あり)。この点、法人税では、仕入税額控除の適用を受ける課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額の合計額が仮払消費税等の額とされていますので、税務上は仮払い消費税等の額がないということになります(法令139の4⑤⑥、法規28②)。つまり、仕入税額控除の適用を受ける事ができなかった仮払い消費税額については、その支払いの対価の額として取り扱われることとなります(注)。
(注)控除対象外消費税として取り扱わない点に注意しましょう。
具体的な計算方法を見てみましょう。
<例1>免税事業者から33,000円の商品を購入。経過措置の適用あり(仕入税額控除80%)
商品 30,600 現金 33,000
仮払消費税 2,400
支払った消費税の3,000円のうち、20%部分の600円は商品の対価に含める。
<例2>免税事業者に対して11,000円の外注費を支払った。経過措置の適用あり(仕入税額控除80%)
商品 10,200 現金 11,000
仮払消費税 800
支払った消費税の1,000円のうち、20%部分の200円は外注費の対価に含める。
(国税庁:令和3年改正消費税経理通達関係Q&A)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/shouhizei_faq/pdf/all.pdf