A. 今後このような事例は多く発生すると考えられます。実際、私の母がまさにこのような状況になっています。長男の配偶者というのは長男の両親を看なきゃいけないという固定観念がまだまだあるように思います。地方であればそのような傾向が強いのではないでしょうか。一生懸命旦那の両親を介護した場合においても、旦那の兄妹からは感謝の言葉は貰えるものの、法的には相続人ではないため金銭面での見返りがありません(特別寄与制度というのが一応ありますが、当事者から申し立てるのはハードルが高いように思います)。このようなケースに対応する方法としては、まず「遺言書を書く」ことが考えられます。日頃お世話をしてくれた人に対して最後に感謝のお気持ちと一緒に財産を遺す方法も有効と考えられます。ただし、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外が財産を取得した場合には、相続税が2割増しになる点に留意が必要です。
次に考えられる方法としては、「生前に財産を贈与する」ことが考えられます。贈与税の基礎控除額(110万円)以下の範囲内で複数年に渡って財産を贈与することも有効と考えられます。相続の際に長男の配偶者が財産を取得しない場合には、生前贈与加算(7年)の対象とならないため、税金対策上も有効と考えられます。
No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)|国税庁
将来の相続(争族)については常日頃から考えることが重要になってきますので、常に意識するように心がけましょう。