A. OECDのBEPSプロジェクトの勧告を踏まえ、平成28年度税制改正により、多国籍企業情報の報告制度(最終親会社届出事項、国別報告事項及び事業概況報告事項)が整備され、一定の要件を満たした場合には、これらの届出事項や報告事項について、電子申告により、所轄税務署長へ提供する義務が生じます。制度の詳細については、下記の国税庁のホームページをご確認していただければと思いますが、ここでは少しややこしい提出スケジュールと届出書について、例を用いて簡単に説明したいと思います。
(国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf
(前提)
①日本法人A社(アメリカ法人P社の100%子会社)
②P社グループは9月決算
③P社を最終親会社とするPグループの前期(2021年9月期)の連結総収入金額は1,000億円以上
④A社以外にPグループの関連会社は日本に存在しない
(税務上の取扱い)
・最終親会社届出書を2022年9月末までに提出する必要がある
・2022年9月期に係る事業概況報告書(別名:マスターファイル)を2023年9月末までに提出する必要がある
勘違いしやすい点をラインマーカーしました。2021年9月期の連結総収入金額で判定していることから、2021年9月期の事業概況報告書(マスターファイル)を提出する必要があるのではないかと思うかもしれませんが、2022年9月期に係る事業概況報告書(マスターファイル)を提出する必要があるという点にご留意ください。