消費税

Q. 輸入消費税が経費処理されている場合には、仕入税額控除を取ることはできるか?

A. 仕入税額控除を取ることができる。中小企業の場合には、記帳入力を会計事務所職員が毎月入力しているケースもあり、会計処理を誤ることはあまりないかと思いますが、大企業や外資系企業などは仕訳が自動化されていたり、または海外でBookが行われていたりするため、正しい会計処理が行われずにBookが締まり、会計処理が変更できないということはよくあることです。この場合には税務上で正しく税務調整を行う必要があります。輸入消費税10,000円が租税公課として処理されているケースで検討してみましょう(輸入消費税10,000円のみ発生と仮定)。

(会計処理)

租税公課 10,000円 現金預金 10,000円

(Should be)

仮払消費税 10,000円 現金預金 10,000円

(期末時点のBSに計上されている消費税)

0

(期末時点のPLに計上されている租税公課)

10,000

(消費税の申告)

会計上は輸入消費税を租税公課として処理しているため、仮払消費税は発生していないが、輸入消費税は仕入税額控除を取れるため、消費税の申告書は結果的に10,000円の還付申告となる。

(法人税の調整)

会計上は輸入消費税を租税公課として処理しているが、輸入消費税はBS処理項目であるため、損金に算入することはできない。したがって、法人税法上は租税公課が過大に計上されていることとなるため、10,000円を加算調整する必要がある。

(還付処理時の仕訳)

消費税は還付申告となるが、BSに消費税勘定の項目がないため、現金の対となる貸方の勘定科目は租税公課(あるいは雑収入)として処理することとなる。

現金預金 10,000円 租税公課(又は雑収入)10,000円

上述した通り、輸入消費税はBS処理項目であるため、益金に算入することはできない。したがって、法人税法上は租税公課が過少に計上(あるいは雑収入が過大に計上)されていることとなるため、10,000円を減算調整する必要がある。つまり、前期に法人税で加算調整した10,000円について、還付金を受け入れた当期に認容減算をすることとなる(一言でいえば期ずれの調整)。